『上達スパイス』では、鈴木由路が初山頂から5年半で世界選手権出場に至った経験を踏まえ、どうやって上達していったら良いかのスパイスをお伝えしていきます。
第一回目は「上達する為の3つの行動」をお話します。
大学2年生の頃「大学生で世界選手権出場」と言う目標を立てて、どうすれば早く上達できるかを考えながら飛んできました。
その中で特に意識してきたことを紹介します。
一つ目は、「書く」ことです。
飛び始めてから200本くらいまでは、1フライトごとの反省をログブックに記入していました。
書く内容は①風向風速やサーマルの強さ等のコンディション情報②行動の記録と思考の記録③良かったこと、悪かったこと、反省点などです。
そして、3ヶ月に1回くらいのペースで、それまでの反省を読み返し、自分の癖や得意不得意などを整理してまとめていました。
二つ目は、「聞く」ことです。
サーマルの探し方や技術的な知識を諸先輩方々に聞くのはもちろんのこと、自分のフライトについて同じ空域にいた人に聞いたり、上手い人のフライト自体の話を聞いたりもしました。
上手いフライヤーは周りが良く見えているもの。自分が空中でどう動いていたか、結構見られているものです。
ハング・パラグライダーは経験がものを言うスポーツ。
「他人のフライトを自分の経験値にすることが上達の近道である」
ただ、古い知識しか持ってない人や「自分の言うことが全部正しい」と言う偏屈な人も中にはいるので、聞いた話は全て鵜呑みにせず自分の中で取捨選択しましょう。
ちなみに、聞いて為になったことはログブックに書き残してました。
三つ目は、「妄想」です。
妄想とは「自分の感情や体の動きも細かに思い描いたリアルなイメージトレーニング」だと僕が勝手に定義してます(笑)
フライト練習できるのはせいぜい週に2日。経験値をたくさん積むために飛ばない時どれだけ妄想できるか?
妄想では様々なコンディションでフライトできるし、時間場所回数を問わずにできるのが良いところ。
週末にフライトしたら、上手い人に「聞いて」、ログブックに「書いて」、次の週末まで「妄想」を繰り返すことで、格段に上達する速度が上がっていくでしょう。
次回以降の『上達スパイス』では、ハング・パラの技術や考え方を具体例を交えながら掘り下げてお話していきます。
ハンググライダー選手
鈴木由路
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