朝、常磐道を走らせながら私は憂鬱だった。
朝食を食べ損ねたとか、コーヒーを飲んでいないとか、多々ある理由はおいておいて
一番の理由は目の前に広がる空が、今日は暑くなるぞと告げてきているからだ。
エリアについたのは10時ごろ。宍戸さんといっしょにゆるりと山に上がると、怪しげに東西から風が入るTOについた。
今日の予報は真南。時間がたつにつれてどんどんと強くなるとのことだ。
早く出るに限る。
伝う汗をぬぐい、機体をくみ上げた頃に瑠璃さんとミッフィーがハングでTOしていった。
ずぶずぶと下がる二人を見て、憂鬱をさらに重くする。
西が止まっているのを見て慌ててTO。
微風だけど出られる風。のはずだった。
三歩目を踏んでも機体が浮かない。
そのまま出たときには目の前に木が。
すくすくすくすく伸びやがって冬はもっとつつましい姿だったろうに。
めいっぱいプッシュしたところ、おもいっきり枝にぶつかる感触のあとベースバーが葉を何枚か捕まえた。
TO成功。スターターの名人の寿命は、すこし縮んだと思う。
出る前に一回西の風を見ておけばよかった。
しばらく気持ちを安定させるためTO前のサーマルをスルー。パラ前でホリが上げているのでパラ尾根を探りながらそこを目指す。
ヒットして流しながら谷を渡り、サル壁へ。足尾山頂で大きな当たり。
正直暑さにうんざりしていたから、はやく上へあがりたい。
フライヤーだけが使えるソアリングという名の野外冷房。
冬は恨めしく思える乾燥断熱減率も、今日は味方だ。
流される量が大きいので何度か風上に出して乗り換えつつ雲底へ。
だいたい1100mくらいだ。そのまま南下していくと950mくらいが雲底の雲も垂れ込んでいる。
かわしながら猿公へ。
どっぷり雲に覆われ、どうがんばっても1100までしか上がらない。そして、雲はそこで切れている。
フラワーパーク、国民宿舎もちょっと遠い。
南に走ってみたが当たらず目論見外れて撤退した。
パラ前をかすめて山頂へ。またヒット。
しょうこりもなく南下してCOOに向かった。
このころになると雲底も1200mくらいまで上がっていて、少しだけ動きやすくなっていた。
COOは何もなし。
次の手を探しているとシシドさんがパラ前でレベルキープしているのが見えた。真っ先に突っ込んでいく。
50mほどシシドさんが先行しながら、二機で雲底まで上げ、南下する。
私が猿公についたころにはシシドさんはつくばの駐車場で回していた。
すごい。
ここでもがいていたが、次の一手が見つからずタイムアップ。
仕事を休んで行った甲斐があった、たのしい梅雨の晴れ間だった。
記録日 | 2019/06/26 |
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フライトタイム | 119分 |
最高高度 | 1257m |